【オーディオ】ハイレゾ対応イヤホンは高音質なのか考察してみた

どーも、CNです。

前編【レビュー】5000円以下のハイレゾ対応イヤホンを比較してみた【イヤホン】から飛んでくれた方も、そうでない方も来てくださりありがとうございます。

後編では考察中心の内容となっております。

前編のあらすじ

SATOLEX Tubomi DH298-A1Bk
intime 碧(SORA)
PHILIPS SHE9730
ZERO AUDIO ZERO BASS ZB-03
茶楽音人 Co-Donguri 雫(SHIZUKU)
final E2000 (FI-E2DAL)
の6つの5000円以下ハイレゾ対応イヤホンを長所・短所に分けて比較レビューを行いました。

この記事では比較で得られた共通点を元にハイレゾイヤホンとは何なのか?果たして高音質なのか?ハイレゾイヤホンと普通のイヤホンは何が違うのか?今後オーディオはどうなっていくのか?等々についてにかなり個人的な意見を交えて考察します。

それは違うだろ!という意見承知の上ですので、気軽にコメントください。

そもそもハイレゾ対応イヤホンって?

まずはハイレゾ対応イヤホンの定義を明確にしなければなりません。

ハイレゾ対応機器の定義は日本オーディオ協会によって定められており、
「40kHz以上が再生可能であること。」とされています。

えっ…!?たったこれだけ?と思うかもしれませんが、これだけです。

40kHzという音

40kHzとは具体的にどのような音なのでしょうか?

コウモリの発する超音波は30kHz~100kHzと言われていますので、ハイレゾ対応機器はコウモリの出す下限の超音波よりも高い音を出せることになります!

ところで人間の可聴域は加齢とともに衰えていくのですが、平均して20Hz~20kHzとされています。
よって40kHzはまず人間の耳では聞こえない音と言っていいでしょう。
(コウモリのキーキーといった鳴き声は超音波ではないので勘違いしないように)

そこで僕は思いました。

人間に聞こえない音出せたって意味ないじゃん!

ちょっと冷静な方なら皆そう思うでしょう。

そして次に考えることは、
やっぱりハイレゾなんて企業の都合の良い宣伝文句で意味なんてないんだ。
意味ないことを、さも意味ありげに誇張しているだけなんだ。
ということです。

それからというもの、僕はハイレゾに対して非常に冷めた目で見てきました。

ハイレゾの衝撃

ハイレゾが定義されてから早3年。

巷にはハイレゾ対応イヤホン・ヘッドホンが溢れかえるようになりました。

当初はハイレゾ対応=高級機というイメージが今では5000円以下の低価格帯でもハイレゾ対応が増えてきたことで、その印象が崩れつつあるように思います。

5000円以下のイヤホンなら聴いてやらないこともないか…。
5000円以下のハイレゾイヤホンってどうなのw?
と偏屈な半分バカにした気持ちでe☆イヤホンさんへ視聴しに行きました。
この時はまさか視聴したイヤホン全て買うことになることを知らずに……。

手始めに店内でおそらくハイレゾ対応イヤホンで最安値の
SATOLEX Tubomi DH298-A1Bk に手を伸ばしました。

 

あれ?……これすごくね!?

 

予想外の音質の良さに出鼻をくじかれましたが、たまたま最初にとったSATOLEX Tubomi が良い出来だったのかもしれません。

気を取り直し、隣に並んでいた
ZERO AUDIO ZERO BASS ZB-03に手を伸ばしました。

 

!?…なんだこの低音は

 

それから intime 碧(SORA)、PHILIPS SHE9730、茶楽音人 Co-Donguri 雫(SHIZUKU)、final E2000 (FI-E2DAL) と立て続けに視聴しましたが、どれもこれも衝撃を受け、気づいた時にはイヤホンで詰まった手提げ袋を持ち帰っていました。

ハイレゾ対応イヤホンの特徴

どうも ハイレゾ対応イヤホンは単に40kHz以上を再生できるという事実を超えた何かがあるように思えました。

最初に感じたことは、40kHzを達成するために単に高音域の性能に特化しただけ、あるいは強調しただけというチューニングは意外と少なく、全体のバランスの取り方が上手い機種が多いということです。

中高音域の刺さりはPHILIPS SHE9730のみやや感じましたが、それ以外のイヤホンでは殆ど感じられませんでした。

この時点でハイレゾ対応イヤホン=刺さりが強く聴き疲れするという印象は消えました。

高音域のみならず、低音域のクオリティも高く、特に量は一般的なイヤホンと比較して多めでしっかり聞こえることも驚きでした。
これは高音域を強調しすぎるとバランスが崩れるため、その分低音域をしっかり出す必要があるからと考えられます。

更に平均的な解像度も高く、今まで聴こえなかった部分が聴こえるといった感想が多いのも納得です。
特に解像度の顕著な差を感じたのが高音域部分です。

中音域に限っては同価格帯のバランスドアーマチュア型(以下BA)イヤホンも並ぶ性能を持っていますが、流石に高音域までカバーするようなワイドレンジさはありませんでした。
対してハイレゾ対応イヤホンはBA並みの高解像度を持ちつつ高音域もカバーしているという特徴があると言っていいでしょう。

以上のことから

ハイレゾ対応イヤホン=低音域・高音域・解像度が良い=高音質

と単純に捉えてもよさそうという予想を覆すような結論となってしまいました。

ハイレゾ対応イヤホンは高音質か?

このような特徴を持つ理由を自分なりに考察してみました。
ちょっと長くなるので興味ない方はスルーしてください。

 

まず前提として40kHzを達成する必要がありますので、逆に考えると、
40kHzの音を出せるドライバー=性能が高いドライバー
とみなせます。

しかしちょっと待って!と思う方もいるかもしれません。

果たして40kHzの音を出せるドライバー=性能が高いドライバーなのでしょうか。

ダイナミック型イヤホンを例に考察します。
ドライバーの性能は主に振動板と磁石の性能によりますが、磁石の性能はそのまま磁石の強さということになりますので、ここでは振動板の性能について書きたいと思います。

振動板の性能を規定するものとして比弾性率と内部損失の二つのパラメーターがあります。
これをさらに簡単に言い換えると「硬さと軽さ」と「柔らかさ」です。

高い音ほど周波数が高くなりますが、音は空気の振動であるため、高い音ではより多くの回数を振動していることになります。
高い回数で振動させるためには比弾性率の高い、「硬く軽い」振動板が必要であり、だからこそツイーターには硬く軽い材質が使われます。
比弾性率の高い材質としては一般的に金属が知られています。

しかし金属は内部損失が低い材質でもあります。
一円玉を落とすと、アルミ独特の甲高い音がしますし、鉄棒を叩くとボーンとした振動がずっと長く続きます。

この独特の音が続くことは内部損失の低さに起因しており、不要な共振が長時間続くことは、耳障りな音となるため音質には良くないとされます。
逆に内部損失が高い材質としてPETや紙、木材等がありますが、これらは柔らかい材質の代表例です。
優しい木の響きは内部損失の高さに起因していると言ってもいいでしょう。

比弾性率と内部損失は互いに相反しており、各オーディオメーカーは比弾性率と内部損失の両方を得られる振動板の研究・開発をしているわけです。

かなり前置きが長くなりましたが、改めて40kHzの音を出せるドライバーとなると比弾性率の高い振動板が必要になりますが、一方で耳障りな音にならないよう内部損失も求められることになります。

以上から40kHzを再生できる高い比弾性率と内部損失を満たす振動板を搭載したドライバー=性能が高いドライバーとなり、
40kHzの音を出せるだけのドライバーを開発できる=技術力が高いメーカーということになります。

かなり説明を端折った暴論ですが、大筋は認めて頂けると思います。

ハイレゾ非対応イヤホンは低音質か?

ならば、ハイレゾ対応でないイヤホン=低音質と言えるのでしょうか。
これは違うと断言できます。

BAイヤホンがその例です。

Etymotic Research ER-4SはBAイヤホンの中で最も有名な機種の一つですが、周波数帯域は20Hz~16kHzとかなりナローレンジです。

しかし ER-4Sは極めてフラットな周波数特性と正確な解像度で高音質なイヤホンという評価を確固たるものにしています。

今後の展望

最後に今後の展望を書いて終わりにしたいと思います。

ハイレゾがもたらしたものは単なる周波数帯域の拡張だけでなく、再生機器の高音質化であることが今回の検証ではっきりしました。

再生機器のハイレゾ化の波は止まりそうになく普及が一層進むことが予想されます。

問題はその先です。
仮に全てのイヤホンがハイレゾ対応になったとしたら、ハイレゾの意味はどうなるのでしょうか?
また逆にハイレゾ対応ではないイヤホンは音質が低いと不当に評価されないでしょうか?

 

BAの強みは解像度や繊細な音と言われていますが、今回比較したダイナミック(以下D)型イヤホンはいずれも解像度が高く、中でも碧やE2000はBAに肉薄するような出来でした。

解像度はBA並みでさらにワイドレンジなD型イヤホンが登場したとなると一体BAの強みは何になるのでしょうか?

さらに衝撃を受けた事実として、

【レビュー】Auglamour R8-Jの音質とコスパを検証してみた(後編)【イヤホン】

にて取り上げたXBA-N3の音質です。
XBA-N3はSE846と価格差にして5万円の違いがありますが、解像度を除き音場感から各音域に渡る完成度はSE846に匹敵していました。

ハイブリッド型イヤホンがマルチBAに匹敵、或いはそれを超えるポテンシャルを持つ可能性を感じました。

BAはD型に比べ生産コストがかかることが難点ですが、D型では得られない解像度や繊細さ、中高音域の正確さ、筐体の小型さがコストを上回る絶対的な優位性を保ってきたからこそ評価されてきました。

しかしながらD型の高性能化・小型化によってBA型の持つそうした絶対的優位性は失われつつあるように思います。

少なくともD型+BAのハイブリッド型とマルチBAの絶対的差は殆ど感じられませんでした。
寧ろマルチBAに伴うコストと筐体の肥大化はハイブリッド型に比べ劣っているようにも思えました。

以上の検証からマルチBAの立場はD型やハイブリッド型の技術革新により苦しくなっていくかもしれません。

マグネチックスピーカーがダイナミックスピーカーへと取って代わられたようにBAもD型へと置き換わってしまうのか、
それとも何らかのブレークスルーがBAに巻き起こって盛り返すのか、今後も目が離せません!

 

本当はもっとフランクでテキトーに終わらせるつもりだったのにこんな壮大な内容になるとは思いませんでした。
書いている途中に次々と思考が巡りめぐって予想もつかない結末となりましたが、これもブログの良さですね。

ここまで大変な長文となってしまい申し訳ありませんでした。

これからも単なる比較や感想だけにとどまらない考察に富んだ記事を書きたいと思いますのでよろしくお願い致します。

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ABOUTこの記事をかいた人

CN

地方の大学病院に勤務する2年目のヤバレジ。曲をつながたり、お絵描きしたり、デザインしたり、ヘッドホンのレビューを書いたり、ダーツしたりすることが趣味です。あと勿論ブログも。カオスでまとまりのない事を書きますが生暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。