【レビュー】KZ-ZST/ES3の音質とコスパを検証してみた【イヤホン】

どーも、CNです。

前記事の【レビュー】ダイソー216円イヤホンがイコライザで3万円の音質になるかどうか検証してみた【イヤホン】が予想外の反響でびっくりしました。
twitterでも多くの方が拙記事を取り上げてくださり、世界中の見ず知らずの方と交流を持つことができました。

改めてブログの良さやチカラを実感した次第です。

さて今回はイヤホン界衝撃の問題作、KZ-ZST(以下ZST)とKZ-ES3(以下ES3)について音質とコスパを検証していきたいと思います。

ハイブリッド型イヤホンとは?

ZSTとES3の話に移る前に、これらの駆動方式であるハイブリッド型について簡単に説明したいと思います。

従来のイヤホンは大きくダイナミック型とバランスドアーマチュア型という二つの駆動方式で分けられていました。
一般論で言うとダイナミック型は低音域が得意であり、バランスドアーマチュア型は高音域が得意という特徴があります。

ハイブリッド型は低音域が得意なダイナミック型と高音域が得意なバランスドアーマチュア型を一緒に搭載することで、いいとこ取りを狙った新しい駆動方式です。

なんだ最強かよ、と思うかもしれませんが当然欠点もあります。

最たるものが価格です。

二つの違う駆動方式でバランスを取らなくてはいけないので当然技術力を必要としますし、単純に各々のドライバ自体の値段もかかります。

 

ここで読者に向けてちょっとしたクイズですが、ハイブリッド型イヤホンの価格相場はいくらになるでしょう?

恐らく最初のハイブリッド型イヤホンであるAKGのK3003は初期値で約15万円!
それがソニーのXBAシリーズ等で徐々に市民権を得て、ようやく2~4万円程度で買えるようになってきました。

そこでもう一つ質問ですが、ZSTやES3の価格はいくらでしょう?

 

 



そのお値段、驚愕の2500円前後

なんでハイブリッド型のイヤホンが3000円以内で買えるんだよ・・・!?

非常識な価格設定

最初見た時はあまりに非常識な価格設定に目を疑いました。

どう考えても0一つ付け忘れています。

因みに3000円以内という価格は、バランスドアーマチュア型のみのイヤホンでも実現困難です。
例えばソニーで最安価のバランスドアーマチュア型イヤホンであるXBA-C10は相場が3600円以上、
同じくオーディオテクニカで最安価のバランスドアーマチュア型イヤホンのATH-CKB50が2700円以上となっています。

ここまで安いと疑心暗鬼を生ずるのは当然です。

どうせ偽物か大したことないんだろうとタカをくくってAmazonのレビューを覗いたところ更なる衝撃が走りました。

 

なんでこんなに高評価なんだよ・・・!?

 高評価なレビューは本当か?

僕が見た時のZSTのAmaonレビュー数は約250件。うち星4以上が75%を占めています。
信用できないと囁かれるAmazonのレビューですが、さすがに数の多さは無視できません。

さらに2chやら個人ブログやらレビューを漁ってみるのですが、軒並み高く評価されています。

この現象はAuglamour R8のような企業の宣伝から始まり、2chやブログで評価された動きとは対照的です。

ただならぬ異様な雰囲気を感じ、KZ ZST,ES3,ZS5,ZS6に加えて同じくハイブリッド型の Xiaomi Mi In-Ear Headphones Pro HD ,KINERA Bd005Eをまとめて購入してしまいました。

長さの関係で今回はZSTとES3だけを取り上げますが、次回はXiaomi Pro HD とKINERA Bd005E、その次はZS5とZS6の検証を予定しています。

KZ ZSTについて

前置きが長くなりました。
それではZSTのスペックから見ていきましょう。

ハイブリッド型というインパクトに隠れてしまいがちですが、しれっとリケーブル対応という点も凄いところです。
この値段でリケーブル可能な機種を僕は知りません。

つまりZSTはハイブリッド型かつリケーブル対応で3000円以下という二つの価格破壊を同時に達成してしまった機種になります。

実はZSTはカーボンブラックと紫の二つの色がありますが、音質は明らかに異なります
この「明らか」な差は筐体ごとの誤差を超えてマイナーチェンジレベルの差です。

カーボンブラックの方はKZ-ZST(以下ZST黒)、一方紫の方はKZ-ZST PRO(以下ZST紫)という名称でそもそも表記が異なりますし、パッケージも異なります。
そして表記されているスペックも明確に違います。

それぞれパッケージ画像も併せて見ていきましょう。

ZST黒 スペック

インピーダンス18Ω
感度120dB
再生周波数20Hz~20kHz
ケーブル0.75mm 2pin(リケーブル対応)
ドライバ1DD+1BA
(Φ8mm DD +
bellsing 30095 BA)

ZST黒のスペックはパッケージ上には表記されていませんが、Amazonからの販売元であるWTSUN Audioのページに掲載されています。

ZST紫 スペック

インピーダンス10Ω
感度106dB
再生周波数20Hz~40kHz
ケーブル0.75mm 2pin(リケーブル対応)
ドライバ1DD+1BA
(Φ8mm DD +
bellsing 30095 BA)

上記の画像はパッケージ表面で裏面にスペックが表記されていました。
比較してみると明らかですが、かなりの違いがあります。

インピーダンスから感度、再生周波数全て違います。

そして注目すべきは再生周波数の高域部分です。
20kHz→40kHzに大幅に伸びています。

40kHz以上再生できる機種はハイレゾ対応となります。

つまりZST紫はスペック詐称が無ければ、ハイブリッド型かつリケーブル対応かつハイレゾ対応で3000円以下という3つの価格破壊を同時に達成してしまったことになります!

KZ ES3について

続いてES3を見てみましょう。

ES3は2017/10/16にAmazon取扱い開始となった新機種です。
スペックやデザイン、価格からZSTの後継機と噂されています。

ES3 スペック

インピーダンス18Ω
感度106dB
再生周波数7Hz~40kHz
ケーブル0.75mm 2pin(リケーブル対応)
ドライバ1DD+1BA
(Φ10mm DD +
KZ 30095 BA)

ES3のスペックとZST紫のスペックは似ています。

再生周波数が20Hz→7Hzと下方に伸びたことと、ドライバの構成が変更されています。
当然のようにリケーブル対応ですし、ハイレゾ対応となっています。

 KZの儀式

色々とおかしなことやっとるKZのイヤホンですが、パッケージ内容も他のイヤホンにはない遥か斜め上をいってます。

なんとイヤホン本体とケーブルが別々になっているため、聴くためにはまずケーブルをイヤホンに挿す作業を行う必要があるのです。

このケーブル挿入が非常に困難です。

2ピンむき出しの端子を折らずにガチガチに硬いコネクタ部分に上手く挿さなくてはいけません。
コツは机等にイヤホンを固定して、厚手のゴム手袋でケーブルのコネクタをしっかり持って体重をイヤホンに垂直に掛けることです。

一応折ってしまった場合はAmazon販売元であるWTSUN Audioに報告することで無償で交換してくれるサービスがあるみたいですが、とても心臓に悪い作業です。

僕はなんとなく「KZの儀式」と名づけることにしました。

音質比較評価

KZの儀式を済ませたことで、いよいよ音質比較評価に移りたいと思います。

まずZSTおよびES3の価格帯は3000円以下なので、同価格帯最高音質と名高いPHILIPS SHE9720と比較します。
その上で更に上位の価格帯であるSHE9730とも比較し、価格帯を超える存在かどうかを見極めたいと思います。

よって今回比較するイヤホンは
  1. PHILIPS SHE9720
  2. KZ-ZST(ZST黒)
  3. KZ-ZST PRO(ZST紫)
  4. KZ-ES3
  5. PHILIPS SHE9730
の5つ。これらを

①装着感 ②タッチノイズ ③遮音性と音漏れ性能 ④音場感  ⑤解像度 ⑥低音域 ⑦中音域 ⑧高音域 の8つの項目を以下のようにして5点満点で評点をつけていきます。

装着感:装着した時の耳への圧迫感や動いた時の安定性を考慮し評価した
タッチノイズ:ケーブルによるタッチノイズの少なさで評価した。
遮音性・音漏れ:環境音下の外音遮音性を主観的に相対評価した
音場感:低音量からなる臨場感等は除外し、立体表現と音場の広さ、距離感の正確さで評価した
解像度:低・中・高音全体の輪郭や波形が見えるかを重視し評価した。分解能もここに含めた
低音域:100Hz以下のキック(重低音)と1kHz以下のベース(低~中音)の量、密度、圧力、締り、レスポンスの速さで評価した
中音域:7kHz以下のボーカル領域の明瞭さ、シンセリードやパッドの色付きや鮮やかさで評価した。ボーカルの刺さりは減点対象とした
高音域:主に7kHz以上のハイハットやライドシンバル等の金管楽器の伸びや抜けの良さで評価した。スネアの明瞭さもここに含めた

また実売価格については2017/11/25時点の価格.com、およびAmazonを参考にしています。

PHILIPS SHE9720

装着感★★★★
タッチノイズ
遮音性・音漏れ★★
音場感★★★
解像度★★
低音域★★★
中音域★★
高音域★★
全体のバランス低音よりのドンシャリ
実売価格2180円前後

レビュー

この機種についてはもはや多くを語ることはありません。

コスパの高いイヤホンの代名詞として非常に多くのメディアから取り上げられ、知名度も認知度も高いのではないでしょうか。

2008年に登場して以来、9700→9710→9720と二度のマイナーチェンジを経ていますが、ケーブルやデザインの変更点が主で音質は殆ど変わりありません。
にもかかわらず、およそ10年に渡って評価され続けてきた事実はそれだけでも”高音質”である説得力を持っています。

全体のバランスは多くの人に好まれる低音に重きを置いたドンシャリ型です。
背面のターボバス孔は低音域を増幅させると同時に、高音域の抜けや空間表現の向上に寄与しています。

一方厳しい評価となってしまいますが、9年前に設計されたドライバの性能は現在から見ると、お世辞にも高いとは言えません。
音場感や解像度は価格なりで必要最小限といった印象です。

低音域は締りとは無縁でブーミーに響きます。
中音域は低音域の多さに影響され篭りが気になると同時に解像度の低さも相まって物足りない気分になります。
高音域は程良い抜けの良さがあるものの、伸びがなく頭打ち感があります。

このイヤホンの最大の魅力はドンシャリのバランスの巧さにある気がします。

篭りが気にならない程度にノリの良さを感じることができるギリギリの線を攻めた低音量と
刺さらない程度に心地よさを感じることができるギリギリの線を攻めた高音量
加えて背面を開放することで、爽快感のある仕上がりになっています。

性能をバランスの巧さでカバーする設計はオープンエアー型ヘッドホンの名機であるKOSS PORTA PROを彷彿とさせます。

装着感は角度がついたノズルのおかげで良好ですが、合わない方もいるかもしれません。
ケーブルのタッチノイズは凄まじく減点対象です。
また後面が開放されていることから、遮音性は低く、音漏れもします。

まとめ

長所:
・低音域と高音域からなるノリの良さ

短所:
・必要最小限の解像度
・タッチノイズの多さ

KZ-ZST(ZST黒)

装着感★★★
タッチノイズ★★(付属ケーブル)
★★★★(リケーブル後)
遮音性・音漏れ★★★
音場感★★
解像度★★★
低音域★★★
中音域★★☆
高音域★★
全体のバランス低音より
実売価格2390円
(2017/11/25 amazonにて)

レビュー

まず一聴して分かることはZSTが紛れも無くハイブリッド型のイヤホンであるということです。

低音域はSHE9720と同等かそれ以上の量を持っているにも関わらず、高音域は潰れないどころか繊細な響きも兼ね備えています。
低音域と高音域が別々に鳴っているという感覚はダイナミック型のみのイヤホンにはありません。

全体のバランスは低音を主体としたピラミッド型もしくは弱ドンシャリ型といったところで心地よさがあります。

解像度も一つ一つがSHE9720よりも勝っており、各音域の輪郭を辿ることができます。
しかしながらよくよく聴いてみると、低~中音域にかけてザラザラした質感が気になります。
女性ボーカルではそれが顕著で、なんとなく声が掠れていたり人工的な響きです。

音場感は改良の余地があります。
中域は前方にスクリーンのように張りついていて奥行きが殆ど感じられません。
にもかかわらず低音域や高音域の奥行きはあるため、居心地が悪くなり思わず顔を前に突っ込みたくなります。

装着感はやや大振りの筐体ですが、問題なく耳孔に挿入できます。
小さなベント孔が一つ設けてありますが、遮音性はまずまずで音漏れもあまりしません。
タッチノイズはShure掛けの設計によってある程度軽減できますが、付属ケーブル自体にかなりのタッチノイズがありますのでそこそこ気になります。

全体の質感は塗装の雑さが気にならなければ良好です。

まとめ

長所:
・安価でハイブリッド型を実感できる
・高い解像度(価格の割に)
・リケーブル可能

短所:
・音場感の狭さ
・中音域の質感
・付属ケーブルの品質

備考

付属ケーブルと付属のイヤーピースはどちらも品質が良いとは言えません。
ケーブルとイヤーピースも検証したいと思います。

ケーブルについて

まず付属ケーブルですが、皮膜は生ゴムのようにベトベトしているため引っ掛かりやすく、容易く絡まります。
当然タッチノイズもかなり多いです。
これだけで別売りのアップグレードケーブルに換装する価値があります。

別売りケーブルはWOOeasyというブランドから各種購入することができます。
僕は
KZX4707 KZ ZST/ES3/ED12 イヤホン ケーブル 無酸素銅ケーブル 2pinリケーブル 0.75 4芯 Wooeasy (ブラウン for ZST) と
KZ ZS6/ZS5/ZS3 イヤホン ケーブル 4芯7n銀メッキケーブル 0.78mm 2pinコネクタ リケーブル WOOeasy  2PIN(3.5mmプラグ)の二つを購入しました。

無酸素銅ケーブルの方は付属ケーブルに比べて音質改善はわずかですが、絡まりにくくなりプラグもしっかり作られていて普段使いに向きます。

一方4芯7n銀メッキケーブルは音質改善効果が実感できます。
高音域がさらに綺麗に伸びるようになり、全音域に渡って解像度も増します。
しかし価格が4千円強と高いのがネックです。

ZSTに約5000円のケーブルを組み合わせるよりは、素直にKZの上位機種を購入した方が満足できるのではないかと思いました。

イヤーピースについて

付属のイヤーピースもまた問題です。
全体的にどのサイズも大きめに作られていて、厚みがあるのでフィット感や遮音性が良いとは言えません。

個人的に好印象だったのは、
audio-technica SOLID BASS スペアイヤピース ER-CK50 シリーズと
final イヤホン用イヤーピース Eタイプ です。

ソリッドベースのイヤピースは低音域と高音域がより前面に出て、よりドンシャリかつ迫力ある音になります。
一方finalのイヤーピースは低音域に締りが出て、フラット寄りの冷静な音になります。

そこでZST黒にはソリッドベースを、後述のZST紫にはfinalのイヤーピースを使用しています。

KZ-ZST PRO(ZST紫)

装着感★★★
タッチノイズ★★(付属ケーブル)
★★★★(リケーブル後)
遮音性・音漏れ★★★
音場感★★
解像度★★★
低音域★★★
中音域★★
高音域★★★
全体のバランスドンシャリ
実売価格2550円
(2017/11/25 amazonにて)

レビュー

ZST紫はZST黒と基本性能は殆ど変わりありません。

音場感や解像度はほぼ互角です。

ZST黒との大きな違いは高音域の量で、かなり増えています。
これによって全体のバランスはピラミッド型から強めのドンシャリに変化しています。

この違いを良しとするかどうかは好みによるでしょう。

ロックやEDMといったジャンルではエネルギッシュさが発揮され好印象ですが、ZST黒では気にならなかった高音域の刺さりも気になるようになりました。
そのためZST黒が苦手としていた女性ボーカルが更に苦手となっています。

筐体はZST黒と同一なので装着感、遮音性、タッチノイズは変化ありません。

まとめるとピラミッド型のバランスが好きならば、ZST黒を
強めのドンシャリでノリ良く聴きたいならば、ZST紫をオススメします。

まとめ

長所:
・安価でハイブリッド型を実感できる
・高い解像度(価格の割に)
・リケーブル可能
・ZST黒と比較してよりエネルギッシュ

短所:
・音場感の狭さ
・中音域の質感
・刺さる中高音域
・付属ケーブルの品質

KZ-ES3

装着感★★★
タッチノイズ★★(付属ケーブル)
★★★★(リケーブル後)
遮音性・音漏れ★★☆
音場感★★☆
解像度★★★☆
低音域★★★☆
中音域
高音域★★★
全体のバランス高音よりのドンシャリ
実売価格2678円
(2017/11/25 amazonにて)

レビュー

ES3はZSTと比較するとダイナミックドライバの径が8mmから10mmへ大型化したことと、恐らく自社BAドライバであるKZ 30095 を搭載しているのが特徴です。

大型化したダイナミックドライバのおかげか、低~中音域の解像度はさらに増しています。
また筐体には新たに2つのベント孔が追加され、音場感はより自然になっています。

低音域は量こそ減りましたが、締まりが出て更にキレが増しています。
また超低音の再現性も向上しています。

ここまでなら良かったのですが、中高音域は正直褒められたものではありません。

ただでさえ刺さりがあったZST紫よりもさらに刺さりが感じられます。
5700Hz~6000Hzのピークが凄く、どうしてこんな極端なチューニングにしてしまったのか首を傾げます。

女性ボーカルはサ行タ行がキツく聴けたものではありません。
音楽もハイハットが多いものだと、やたら目立ってしまい非常にやかましく感じます。

ZSTから更に巨大化しましたが、角度をつけたノズルのおかげで装着感は良好です。
しかし遮音性はベント孔が増えたせいか、若干低下しています。

質感やカラーリングはとても好みで、見た感じはかっこいいですが、それにしても音が残念です。

改良を期待したいと思います。

まとめ

長所:
・安価でハイブリッド型を実感できる
・ZSTより高い解像度
・リケーブル可能

短所:
・かなり刺さる中高音域
・破綻しているバランス
・付属ケーブルの品質

PHILIPS SHE9730

装着感★★★★
タッチノイズ
遮音性・音漏れ★★
音場感★★★
解像度★★★☆
低音域★★★★
中音域★★
高音域★★★★
全体のバランスドンシャリ
実売価格3750円前後

レビュー

【レビュー】5000円以下のハイレゾ対応イヤホンを比較してみた【イヤホン】でも取り上げたSHE9730です。
全体的なレビューは上の記事を参考にしてください。

今回はZSTを中心とした比較でレビューします。

SHE9730もZST紫と同様ドンシャリ型で出音は似ていますが、解像度はZST紫を更に上回ります。
音場感はSHE9720のターボバス孔の良さそのままに、定位や距離感がより正確になっています。
この点でもZSTより優れています。

音域別で見てみると低音域は量はZSTに劣りますが、圧力や締りで勝っています。
重低音はかなり前に迫ってくる印象で、ZSTよりも出ていると感じる方もいるかもしれません。

中音域は6~7kHzのピークとともに上ずった癖を感じますが、滑らかで女性ボーカルも楽しく聴くことができます。

高音域はZSTの繊細さはないものの、伸びや解像度は互角もしくはそれ以上のものをもっています。
そしてZSTにはない抜けの良さを兼ね備えています。

装着感や遮音性、タッチノイズの性能はSHE9720と同一であり、タッチノイズの凄まじさは残念な部分です。

まとめ

長所:
・低音域と高音域からなるノリの良さ
・ZSTを超える解像度
・高音域の抜けの良さ

短所:
・タッチノイズの多さ
・リケーブル不可
・ZSTに劣る遮音性

検証と結果

それではZSTおよびES3のコスパを検証します。

まずES3ですが、ZSTより向上した音質として2chや他の方のブログでも取り上げていますが、僕は敢えてNOと声をあげたいと思います。

理由は先ほど述べたように、非常に耳に刺さる高音域とそれに伴うバランスの崩れです。
いかに解像度や音場感がZSTから向上していても、全体のバランスが破綻してしまっては音楽を楽しむことができません

以上よりES3のコスパは価格なりか、それ以下と評価せざるを得ません。

一方ZSTですが、ハイブリッド型の音や特徴、その良さをたった3000円以内で実感できる素晴らしい機種です。

同価格帯最高音質と評価されるSHE9720よりも一回り上の表現力を持っているので、この時点でZSTが同価格帯最高の性能を持つイヤホンであることは間違いないと思います。

しかしさらに上の価格帯と勝負するとなると、中音域の質感や音場の狭さが気になります。

SHE9730は5000円以下の価格帯の中でも高い性能を持っていますが、突出しているとは言い難いです。
それは【レビュー】5000円以下のハイレゾ対応イヤホンを比較してみた【イヤホン】で検証済みです。


そしてZSTの完成度はSHE9730に今一歩及んでいません。

以上よりZSTのコスパは3000円以上4000円以下に入り、同価格帯では最強クラスの音質を持っていると結論付けます。

まとめと展望

ZSTの音質は本物でした。

この価格でハイブリッド型を実現してしまった中国の技術力や企画力、コストカットの徹底ぶりに脱帽です。

ZSTは今後間違いなく低価格ハイブリッド型イヤホンのリファレンスとして評価され、エポックメーキングな存在になっていくと思います。

日本や欧米のオーディオメーカーは大いに警戒すべきです。
中国の技術力はすぐそこまで来ていて、この調子で成長を続けるならあっという間に追い抜いてしまう勢いがあります。
さらに中国には日本や欧米にはない、安さという武器があります。

実際、今3000円以下でZSTに音質で勝るイヤホンを作れるメーカーは日本や欧米にはありません。
日本や欧米のメーカーもZSTに負けないイヤホンを作って欲しいと願いを込めて記事を締めくくりたいと思います。

長文にお付き合い頂きありがとうございました。

2 件のコメント

    • ZSR!!新作出ていたのですね。早速チェックさせて頂きます。個人的にKZブランドはATRが驚異的な完成度でびっくりしました。
      合わせてレビュー記事書きたいですね。
      貴重な情報ありがとうございます!

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    CN

    地方の大学病院に勤務する2年目のヤバレジ。曲をつながたり、お絵描きしたり、デザインしたり、ヘッドホンのレビューを書いたり、ダーツしたりすることが趣味です。あと勿論ブログも。カオスでまとまりのない事を書きますが生暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。