末梢静脈路確保が確実に入るようになりたい

どーも、CNです。
あっという間に9月終わりです。研修医になってから半年を迎えようとしています。

このブログはwordpressを使っているのですが、SlimStatという月間の訪問数とかどんな検索キーワードで訪問してくれるかを教えてくれる非常に有益なサイト解析プラグインがあります。

今日何気なくSlimStatを覗いてみたら月間PV数が500を超えていました。
なんと一日に15回以上は誰かが訪問してくださっている計算になります。当時は100超えればいいかなー的な軽い気持ちで始めたのにこんな見られているとはちょっと驚きです。

本当に感謝、感謝です。

そしてその中で最も見られているページが
なぜ末梢静脈路確保が失敗するのか考察してみた」でした。

実際研修医になってから初めて書いた記事なので印象深いです。
偉そうに書いてますが僕は未だに末梢静脈路確保が下手だと思っているし、自信もありません。

先々月回った科での患者さんからの「お前みたいな下手な医者は見たことがねぇ!一生笑われるぞ!!」と怒鳴られたことと
先月回った科の先生からの「君はルート取ったことあるの?」という何気ない一言は今でも心に残っている言葉です。

そんなわけで今回は反省の意も込めて絶対に末梢静脈路確保を外したくない人のために、また自分のためにも忘れないよう、半年間で学んだテクニックを紹介したいと思います。
中にはテクニックと言えないものや常識的な面もありますが大目にみてください。

また用語については「なぜ末梢静脈路確保が失敗するのか考察してみた」を参照して下さい。

準備編

針を刺す前の準備編
血管を探す時と針を刺している時の実践編
失敗してしまった時のリカバリ編

の3本立てで紹介したいと思います。

患者さんを寝かせる

患者さんがベッドの上で横になっている時もしくは座っていて腕を差し出している時の2パターンでルート確保することが多いですが、座っているならば寝かせてしまった方がやりやすいと思います。

理由は2つあって、1つ目は血管が見やすくなるから、2つ目は患者さんの緊張をほぐすことになるからです。

座っている場面を想定すると腕はテーブルの上に乗せていることが多く、静脈は重力の影響を受けるため、心臓より高い位置に手を持っていくと虚脱してしまって見えにくくなってしまうのと針を刺している場面を見てしまい心理的な抵抗が生まれてしまいます。

ライトをつける

ベッドにライトがついているならば昼間でもつけた方が得です。
手元が見やすくなりますし静脈のうっすらとした青色も見やすくなります

左手の届く範囲に物を準備しておく

サーフローの外筒を血管内に留置して、いざ点滴チューブのコネクタを繋ごうとした時に手元になくて焦ることがないよう手元に置いておきます。
iv3000のようなドレッシングテープを使う時はパッケージから出しておきます。

実践編

自分の血管と見比べる

慣れないうちは形や走行が色ではっきり見える正中皮静脈や尺側皮静脈といった表層の静脈を狙ってしまいがちですが、実際は触診で分かる橈側皮静脈の方が太くて走行が真っすぐでしかも刺してもあまり痛くない部分なので良い血管であることが多いです。

橈側皮静脈含めて太い静脈の走行は意外に個人差が少ないので自分の血管と見比べてだいたい同じところを触れてみるとあったりします。

一旦駆血を緩める

駆血帯で腕を縛れば当然静脈は浮き出てくるのですが、逆に考えれば駆血帯を緩めれば静脈が虚脱して沈みます。
この性質を利用すれば触診で迷う神経や動脈、皮膚のしわといった構造物を静脈と判別することができます。

阻血にならないよう駆血する

高齢者になるほど、血管の弾力性や強度が弱くなる場合が多いです。
若年者に対する強さで駆血すると動脈までつぶしてしまい「阻血」になってしまう場合があります。
縛った先の末梢の手が赤くならず逆に蒼白になってしまう場合駆血を緩める必要があります。

敢えて緩めに駆血する

※この項目は2017/7/29に追記
ステロイド使用者や抗がん剤治療中の方に多いですが、血管壁が一般の方以上に脆い方がいます。

何も薬を飲んでいない方と同じように駆血すると、針を入れた瞬間漏れてしまうという現象が起こりえます。
最悪駆血した部分が内出血となってしまうこともあります。

敢えて駆血を緩めて血管のしっかりした中枢側の血管を狙うのも手です。

静脈および刺入点を油性ボールペンでマーキング

せっかく触診で分かった静脈の走行も目を離してしまうと見失ってしまうことがあります。そうならないよう油性ボールペンでマーキングしておくと便利かと思います。
あえて”油性”としたのは水性ボールペンだと皮膚に写らずマーキングできないからです。

尚、マーキングしやすいボールペンを色々試したところパイロット社の「アクロボール」が一番皮膚に書きやすく滑らかではっきり写って良かったです。

サーフローの外筒を抜き挿しする

針を刺す前にサーフローの外筒と内筒を抜き挿しします。

理由は二つあって、
一つめはキャップから出したてのサーフローは外筒と内筒が密着してついていることもあって固いので滑らかにしておくということと、
二つめはサーフローの不良品をチェックするためです。

僕は外筒の先が初めから折れていたサーフローに一度だけ当たったことがあります。

尚、外筒をねじりながら抜き挿しするのはNGです。逆に抜きにくくなったり外筒を破損させてしまう場合があって絶対にオススメしないです。

逆血がきたら内筒を180°回転させる

逆血がきたら一旦サーフローの進みを止めてそのまま角度を浅くして数ミリ進めた後に内筒にフローがあることを確認しつつ外筒のみ進めるというのが教科書通りの方法ですが、逆血が来た時点で内筒を180°回転させて進ませるというテクニックがあります。

180°回転させることによって下側に鋭角となった針先が上側に向くのでそのまま血管を下に貫く危険性が減ることと、回転させた分の切断面を広げることが目的です。中には回転させるだけでねじ回しの原理で針先が進むと説明された先生もいらっしゃるのですが、効果は定かではありません。

太い針ほど効果があるようで救急救命科や麻酔科の先生が好んで使っているテクニックの気がします。

静脈の合流部を狙う

静脈の逆Y字となっているような合流部を狙います。合流部は針を刺しても血管が避けずらいからです。

ハイラテ法

※2017/8/31追記
1つ下の後輩のF君が教えてくださったテクニックです。
ここでいうハイラテとは高位側壁枝ではなく伸縮性のある粘着性のテープのことです。

テンションをかけたい部分の皮膚を伸ばしてハイラテ等のテープで止めておきます。
テープのテンションによって静脈が固定されます。
また両手が使えるようになり、サーフローの角度を浅く保ちやすくなります。
ハイラテが無い場合は優肌絆のようなテープでも構いません。

素晴らしい発想力のF君に感服します。本当にありがとうございます。

リカバリ編

腫れてきたらすぐ圧迫止血

刺入点が腫れてきたと思ったらその時点ですっぱり諦めてすぐ圧迫止血します。
腫れている=血管が裂けているor針が血管から抜けているということを意味しているのでそのまま続けていても失敗が目に見えてます。圧迫止血が遅れると血種が拡大し狙える血管が見えなくなってしまいます。

外筒を刺したまま中枢側を刺す

よくある失敗が「内筒は逆血が来たが外筒の逆血が止まってしまい先に進まない」というものです。このとき外筒は確かに血管内に入っているが静脈弁や静脈の壁に引っかかっているという状況が考えられます。

駆血しても逆血が止まっている状況ならば失敗した外筒を刺したまま二本目を中枢側に刺し直すというテクニックが使えます。

外筒が血管をピン止めして固定するため二本目が少々やりやすくなることと止血する時間が省けるというメリットがあります。

出血や血管損傷のリスクが高まるのでやるならオーベンが見ていない時にこっそりと、もしくは止血する暇も惜しむような緊急時に。

最後に

色々とテクニックを取り上げてみましたが、ルート取りが上手い先生方に成功する秘訣を聞いてみました。それが以下の3つに集約されます。
  1. 良い血管を探す
  2. 自信を持つ
  3. 数をこなす
結局身も蓋もない結論となってしまいましたが、真理なのではないかと思います。

 

以上になります。長文になってしまいましたが参考になれば幸いです。

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CN

地方の大学病院に勤務する2年目のヤバレジ。曲をつながたり、お絵描きしたり、デザインしたり、ヘッドホンのレビューを書いたり、ダーツしたりすることが趣味です。あと勿論ブログも。カオスでまとまりのない事を書きますが生暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。