γを扱えるようになりたい

どーも、CNです。

世間では夏休み&お盆モードの季節ですがバリバリ研修医生活を送っています。

研修医の何が辛いかって2か月又は1か月間隔で他科を回らなくてはいけないのでせっかく慣れてオーベンの先生と仲良くなったと思ったらまた違う科で新たな人間関係を作らなければならないという。。。

僕みたいなインドアなコミュ障には辛い現場ですがそれでも頑張るしかないですね。

さてさてこんな愚痴をこぼすくらいならさっさと記事を書けと思われてしまうので早速今日の本題であるγの扱いについて勉強したことを書きたいと思います。

γって何ぞや

まずγって何?て話ですよね。γとは薬剤投与時に使う速度の単位で

γ = μg / kg / min

となってます。

…?? ますます分かりません。
なんで速度の単位なのにkgが入ってくるのでしょうか。また点滴速度ならml/hを使えばいい筈なのになぜそれを使わないのでしょうか。

ここでγを使う代表的な点滴静注薬であるドブタミンの添付文書を覗いてみましょう。

通常1分間あたり1~5μg/kgを点滴静注する。
投与量は患者の病態に応じて、適宜増減し、必要ある場合には1分間あたり20μg/kgまで増量できる。

薬物の体内動態および薬効を考えると体重が重要なファクターを占めます。ドブタミンのような極めて少量で大きな効果を発揮する薬物に対しては尚更です。
体重あたりどれくらいの量を入れるか計算するためにはγが必須ということになります。

ということでγの意味を見返してみると1γは体重1kgあたり1分間に1μgの薬剤が入る速度となります。

γと単位変換

γの意味が分かったのは良しとしてγを使えなければ意味がありません。γを使う薬剤は病棟では持続静注用の精密輸液ポンプ(シリンジポンプ)もしくはTCIポンプを使うことになります。

その輸液ポンプの調節はml/hで行うためγとml/hを合わせるために単位変換が必要です。ということでγのμgをmgにminをhに変換してみましょう。

1γ=1μg/kg/min
=0.001mg/kg/min
=0.001×60 mg/kg/h
=0.06 mg/kg/h

ここでkgを体重(以下BW)をかけて消してみましょう。すると

1γ=0.06×BW mg/h

となります。

さらにmg/hをml/hに変換するために薬剤の濃度A(mg/ml)で割ってみましょう。すると

1γ=0.06×BW÷A ml/h

となります。ようやくml/hに変換成功です。めでたし、めでたし?

1γの意味合い

確かにγをml/hに変換できたので、あとは目的のγに合うように右辺を掛ければいいだけですが病棟に慣れてくるとこの“1γに掛ける”計算が無駄に思えてきます。

どういうことか例を用いて説明したいと思います。

イノバン(ドパミン塩酸塩)もγを使う代表的薬ですがイノバンはアンプル製剤の他にシリンジタイプのものがあり種類が0.1%、0.3%、0.6%と3つ存在します。
この中で最も使われるのが0.3%のものです。

どうして0.3%とキリの悪い数字のものが一番使われるのか?γで考えてみると納得できます。

イノバン注0.3%シリンジの濃度は3mg/mlとなっています。

体重50kgの人に使うとすると

1γ=0.06×50÷3 ml/h
=1ml/h

となりちょうどγとml/hが合うようになっているので使いやすいということです。

 

それではアルチバ(レミフェンタニル塩酸塩)の場合どうでしょう?

アルチバは0.1mg/mlの濃度で使います。体重50kgの人に使うとすると

1γ=0.06×50÷0.1 ml/h
=30 ml/h

30ml/h!!
1γが凄い速度になってしまいました。これではシリンジポンプの意味が無くなってしまいます。

実際1γを超えて使う場面を僕はまだ見たことがありません。

使う薬剤の濃度によって1γの意味合いが大きく変わるということが伝わってくれたなら幸いです。

濃度×γで考える

以上より、果たして1γに合わせて考えることが実用的なのか?と考えますと疑問符が付くわけです。
イノバンのように1γでちょうど都合よく計算できる薬剤で溢れているわけではありません。

もう一度 1γ=0.06×BW÷A ml/h の式を見直してみるとシリンジポンプの操作という面で考えれば

Aγ=0.06×BW ml/h

と考えた方が都合が良い事に気づきます。これならAがどのような値でも大丈夫です。

まとめ

γ計算を難しくする要因は薬品の濃度の知識がいることと、患者さんの体重を知る必要があることだと思います。

これはもう日々病棟でどれだけ意識を回せるかにかかっているのではないでしょうか。

厳しい言い方をするとγ計算が出来ない=薬剤の知識がない+患者さんの情報も知らないことになります。

計算力の問題と思いきや仕事に対する態度や意識の問題となってしまいちょっとギョッとする結果となってしまいました。

僕もまだまだγ計算に苦戦していますが、γがすらすら扱えるように頑張ろうと思います。

 

 

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CN

地方の大学病院に勤務する2年目のヤバレジ。曲をつながたり、お絵描きしたり、デザインしたり、ヘッドホンのレビューを書いたり、ダーツしたりすることが趣味です。あと勿論ブログも。カオスでまとまりのない事を書きますが生暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。